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児童虐待の現状と私たち福祉職の使命

皆さん、こんにちは。今日は、私たちの社会が直面している最も深刻な課題の一つ、児童虐待について率直に語りたいと思います。

厚生労働省の最新の統計は、私たちに厳しい現実を突きつけています。昨年度、全国の児童相談所が対応した虐待相談件数は22万5509件。これは前年度から1万件以上増加しており、右肩上がりの増加傾向に歯止めがかかりません。
単なる数字ではなく、その背後には、傷つき、苦しむ子どもたちの姿があることを私たちは忘れてはいけません。

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複雑化する虐待の形態

虐待の形態も複雑化しています。かつては身体的虐待が中心でしたが、現在は「心理的虐待」が大きな問題となっています。
子どもの目の前で配偶者に暴力をふるう、extreme な暴言を吐く、常に怒鳴り散らすといった行為は、直接的な身体的暴力ではないものの、子どもの心に深い傷を残します。
目に見えない心の傷は、しばしば身体的な傷よりもさらに深刻で長期的な影響を及ぼすのです。

この背景には、現代社会の構造的な問題があります。
核家族化の進行、地域社会のつながりの希薄化、育児に対する過度な孤立感と不安。経済的プレッシャー、社会的孤立、育児に対する支援の不足– これらが複合的に作用し、家庭内の緊張を高めています。
子育ては本来、地域社会全体で支えるべきものであるにもかかわらず、現代社会では個々の家庭に過度な負担が強いられているのが現状です。

政府も this issue に対して本腰を入れ始めています。
児童福祉司の増員、児童相談所職員のメンタルヘルスケア促進、相談体制の強化など、様々な対策が検討されています。
しかし、真に重要なのは、私たち福祉の最前線で働く専門職の役割です。

私たちに求められる能力

私たちに求められる能力は、大きく二つあります:

  1. 鋭い観察力:子どもたちの言葉にならないサイン、微妙な変化を察知する感性
  2. 共感的な支援:保護者の不安、ストレス、悩みを真摯に受け止め、適切な支援につなげる力

虐待を防ぐためには、「安心して相談できる環境」の創出が不可欠です。
私たち一人ひとりが、信頼される存在となり、早期に問題の芽を摘む役割を担わなければなりません。
子どもも保護者も、一人で抱え込まなくて良い、誰かが必ず支えてくれると感じられる環境づくりが求められているのです。

最後に

最後に、児童虐待は特定の家庭だけの問題ではありません。
これは社会全体で取り組むべき、私たち全員の責任です。
福祉の最前線にいる私たちは、子どもたちの未来を守る重要な使命を担っています。

子どもの笑顔は、社会の希望そのものです。一人ひとりの子どもの尊厳を守り、安全で愛情に満ちた環境を提供することが、私たちの最終的な目標なのです。

共に、子どもたちの未来を守りましょう。

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